過眠症とは?

あくびをしている女性

夜間に十分な睡眠をとっていても、日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日のように繰り返してみられる状態をいいます。

特発性過眠症

日中の過剰な眠気や眠り込みが毎日繰り返し起き、最低1ヶ月持続するとその疑いがあり、特殊な検査で診断していきます。

ナルコレプシー

日中反復する居眠りが毎日、何年も続き、試験中や商談中などでも強い眠気に襲われ寝落ちしてしまいます。大笑いしたり興奮したりすると突然力が抜けてしまう「情動脱力発作」がみられることもあります。

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社会生活や学校生活が困難となることが多いため、早期の診断と適切な治療が必要となります。

原因

過眠症を発症する要因は、主に中枢神経系の異常と夜間の睡眠不足であると考えられています。
特に、脳内の覚醒を調整する機構がうまく働かないことによって中枢神経に影響が生じていると考えられており、例えばナルコレプシーの患者様においては、覚醒した状態を保つのに必要な神経ペプチドであるオレキシンを作り出す神経細胞に異常が起きて、覚醒状態を保てなくなることから、過眠の症状を発症することが分かっています。

治療法

お薬の処方

ナルコレプシーや特発性過眠症を発症している場合、薬物療法での治療が中心となります。日本では精神刺激薬(覚醒促進薬)である3種類の治療薬(モダフィニル、メチルフェニデート、ペモリン)が認可されていますので、いずれかの治療薬、もしくは一部の抗うつ薬を処方することによって、過眠の症状を改善させていきます。
ただし、あくまでも過眠症のゴールは、薬を服用せずとも質の高い睡眠をとることができる状態になることですので、治療薬の服用と並行して、医師の指示の下で就寝環境や生活習慣を改善させていくことが大切です。

対処法、普段気を付けること

過眠症は日中に異常な眠気を感じることのある病気ですので、車の運転や仕事場での機器操作に関しては、注意が必要です。
特に重度の眠気がある状態においては、道路交通法の規定に基づいた運転免許の保留・停止処分に該当する可能性もあります。過眠症と診断された場合は、運転や仕事内容に関しても医師に相談することを忘れないようにしましょう。
また就寝前に、アルコールもしくはカフェインを摂取することと喫煙をすることは、脳が覚醒してしまい、夜間の睡眠が十分でなくなる、つまり日中の眠気につながります。質の良い睡眠を意識しながら、生活習慣の改善を意識していきましょう。