睡眠時無呼吸症候群とは?

  眠っている若い女性

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に気道が狭くなったり、塞がれたりして非常に呼吸が浅くなったり「何度も呼吸が止まる」ことで様々な症状が生じる病気のことです。 これにより深い睡眠がとれず、日中に強い眠気を感じ、居眠りをする、集中力が低下するなどの症状を認めることがあります。

また、インポテンツや起床時の頭痛、口の渇きなどを訴える方もおられます。睡眠時無呼吸症候群は心臓病や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の合併や悪化の可能性があります。重症の睡眠時無呼吸症候群の方が適切な治療がなされていない場合は10年後の生存率が適切に治療されている方と比較し、63%まで低下するとの報告もあります。早期の診断と適切な治療が必要です。

原因

睡眠時無呼吸症候群の症状 図表

睡眠時無呼吸症候群の原因は、無呼吸を引き起こす原因の違いにより大きく2つの型に分類されます。 また、一部の患者様は、2つの型が両方とも関係する混合型を発症する場合もあります。

①閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)

「閉塞型」とも呼ばれるタイプは、上気道に空気が通る十分なスペースがなくなって、呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群です。 睡眠時無呼吸症候群に悩む患者様の約9割が、このタイプに分類されます。 鼻から喉頭までの気道である上気道の空間が狭くなってしまう原因は、以下のような例が挙げられます。

  • ●首や喉の周辺に、過剰な脂肪沈着がある(肥満)
  • ●扁桃肥大
  • ●舌根沈下
  • ●軟口蓋下垂
  • ●鼻炎などの鼻づまり

②中枢性無呼吸症候群(CSA)

「中枢型」と呼ばれる睡眠時無呼吸症候群は、呼吸を調整する脳の働きが低下することが発症の要因です。 気道自体に問題は確認できず、なんらかの要因により、脳から「呼吸をするように」という命令が出ていないことになりますが、そのメカニズムはまだ解明されていません。 現在の研究段階では、心臓の機能が低下している方の発症率が高いことが分かっています。

治療法

睡眠時無呼吸症候群は、不眠に伴う鬱症状や日中の眠気に留まらず、高血圧や 脳卒中、心筋梗塞などの合併症発症リスクを高める危険な病気です。 そのため、医師による診察および検査を受けた上で、適切な治療を受ける必要があります。 代表的な治療法は、以下の通りです。

①CPAP療法

CPAP

CPAP(シーパップ)療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群に有効な対処療法です。 和名を「経鼻的持続陽圧呼吸療法」といい、就寝時に鼻にマスクを装着した状態でおやすみいただく治療法になります。 鼻のマスクはCPAP装置にエアチューブで繋がれており、エアチューブを伝って空気が気道に送りこまれるので、就寝中の無呼吸を防ぐことができます。

②マウスピース治療(スリープスプリント)

スリープスプリント

比較的軽度の睡眠時無呼吸症候群を発症している患者様に適した対処療法が、マウスピースの装着による治療法です。 下顎が上顎よりも前に出るように固定できるマウスピースを就寝時に装着することで、上気道の空間を広げて、呼吸をしやすくします。 重症の睡眠時無呼吸症候群を発症している患者様に対しては、十分な治療効果が確認されていないので、詳しくは医師にご相談ください。

③外科的手術

上に指をさしている男性

①と②の補助的な役割はありますが、根本療法にはならないとされています。 アデノイドや扁桃肥大など、物理的な要因で上気道が狭くなってしまっている場合、その一部を摘出することによって、上気道の空間をある程度、確保することができます。 特にお子様の場合は、健全な心身の成長に対して睡眠時無呼吸症候群が非常に大きいため、耳鼻科では外科的手術を積極的に推奨する傾向にありますが、前述のとおり、根本療法ではないことも認識しておく必要があります。

対処法、普段気を付けること

自覚症状がない場合でも、ご家族やパートナーから「いびき」、もしくは「睡眠中に呼吸が何度か止まっているようだ」という指摘があった場合、まずは睡眠・不眠専門外来や内科に相談することが大切です。 睡眠が十分に足りていない状態は、日中の過ごし方に大きな影響を及ぼすだけでなく、重大な疾病の原因にもなりかねませんので、医師の指導の下で積極的な治療を行う必要があります。

また、医師による治療と同じくらい大切になるのが、生活習慣の見直しです。
特に肥満が原因で上気道が狭くなっている場合などは、首やのど周りの減量も、治療の一貫となりますので、食生活や運動習慣を見直していきましょう。
不規則な生活リズムや夜更かし、アルコールの過剰摂取といった睡眠の質を悪化させる習慣も、一度見直す必要があります。
詳細は治療法と併せて、睡眠や不眠の治療を専門とする医師にご相談ください。