睡眠時随伴症とは?

睡眠時随伴症

睡眠時随伴症とは、睡眠中に生じる寝ぼけ、食べ歩いたり、暴力をふるったり・・・夜尿、歯ぎしり、悪夢、記憶のなど望ましくない現象を総称して睡眠時随伴症と呼んでいます。代表的なものが「レム睡眠行動障害」ともいわれ、睡眠中の軽い寝ぼけ行動を起こす軽症型から、叫ぶ・殴るなどの激しい行動がみられる重症型までさまざまです。

原因

睡眠時随伴症を発症する原因は、以下のようなものが中心であると考えられています。

  • 睡眠と覚醒の不完全な移行(過度な飲酒・一部の睡眠薬による影響など)
  • 睡眠不足
  • 不規則な睡眠リズム
  • 他の睡眠障害による影響
  • 過度のストレス
  • アルコールの過剰摂取
  • 頭部外傷の後遺症
  • 神経変性疾患や認知症などの影響

また睡眠時随伴症を発症しているのが幼児である場合は、脳の未発達もしくは遺伝的要因から発症しているケースが多いと考えられています。その他に近年寄せられている報告では、発達障害が起因している可能性が示唆されています。

治療法

医師のカウンセリング風景

睡眠時随伴症が疑われる場合、まずは本人や家族に対する聞き取り調査と、終夜睡眠ポリグラフ検査を行うことで、睡眠時無呼吸症候群など他の睡眠障害を併発していないか、また睡眠時随伴症の原因と予想される生活習慣や既往歴について調べていきます。その後、まずは非薬物治療として、規則正しい生活リズムや寝酒の中止、ストレスの解消、就寝環境(光や音、寝具等などの見直し)の調整を行い、睡眠不足の状態が改善できるよう、整えていきます。

薬物療法としては、症状の重症度や、どのような症状(睡眠時遊行・錯乱・睡眠関連摂食障害・悪夢障害・遺尿など)が出現しているのかによって、抗てんかん薬もしくは抗うつ薬を用いることが多いです。特に薬物療法に関しては、既往歴や症状によって服用可能な治療薬が異なります。必ず睡眠や不眠を専門としている医師に相談し、服用の指示を仰いでください。

対処法、普段気を付けること

睡眠時随伴症による異常な行動において、まず一番注意したいのは、怪我をする危険性です。
極端に散らかっている寝室や、床に多くの物が散乱している状態の家では、寝ぼけや徘徊などによってケガをするリスクが非常に高いです。
その他、家族や同居人に危害を加える可能性があるため、注意が必要です。さらに夜間にしっかりとした睡眠がとれない状態が、患者様や同居のご家族様にとって大きな負となりかねません。寝不足が原因で日中の怠さや眠気に悩まされたり、頭痛症状を発症する可能性があるため、なるべく早期に睡眠や不眠を専門としている医師に相談してください。