レム睡眠行動障害とは?
多くは、睡眠中に夢の中での行動をそのまま行ってしまい大きな寝言を言ったり、動き回る・興奮するなどの異常行動を起こしたりします。ときには家具にぶつかりケガをしたり、家族に暴力を振るったりすることもあるため注意が必要です。
また、レビー小体型認知症やパーキンソン病の有病率が高くなるため、早期の診断と適切な治療が必要となります。
原因
レム睡眠行動障害は、患者様の60%にあたる方は原発性(原因となる病気がない、もしくは原因不明)とされています。なんらかの原因によって神経の抑制が効かなくなり、睡眠中にも身体が動いてしまうと考えられています。残り40%の患者様がレム睡眠行動障害を発症する原因は、以下のような原因に起因するものが中心となります。
- 炎症性疾患……頭部に外傷を受けたり、髄膜炎や脳炎といった炎症が起こることによって、神経に異常が生じるタイプ。
- 嗜好品や治療薬……アルコールの摂取や、うつ病の治療薬の影響で、二次的な障害が引き起こされるタイプ。睡眠不足も影響する。
- 神経変性疾患……脳幹部の腫瘍、パーキンソン病、オリーブ橋小脳萎縮症、レビー小体型認知症、多発性硬化症などに代表される病気による影響。
- 脳血管障害……くも膜下出血、虚血性脳血管障害などの疾患による影響。
治療法
レム睡眠行動障害が疑われる場合は、血液検査と頭部MRI検査によって、レム睡眠行動障害の原因となっている疾患がないかを、しっかりと調べていきます。
その上で、夜間の異常行動がどの睡眠段階で起こっているのかを確認し、治療を行ってきます。レム睡眠行動障害の原因疾患が明らかである場合は、まず疾患の治療から行います。またレム睡眠行動障害そのものに対する治療としては、薬物療法(ベンゾジアゼピン系の抗てんかん薬・抑肝散などの漢方薬・メラトニン系の睡眠薬)が中心となります。
対処法、普段気を付けること
レム睡眠行動障害と診断された場合は、第一に患者様ご本人とご家族様が、異常行動を起こす睡眠障害に関して正しい知識をもつことが大切になってきます。
病気について正しく理解した上で、夜間に質の高い睡眠をとれるように、寝室の環境や、日中の生活習慣を整えていくことが大切です。特に寝る前の深酒は、寝ぼけや異常行動を誘発する場合が多いことがわかっています。日頃から飲酒の習慣がある場合は、医師とも相談しながら、飲酒量の調整や飲酒習慣の見直しを行うことが大切です。